白浜・水難偽装で妻殺害の罪 初公判で無罪主張

2021年02月18日 19時01分

事件・事故

4年前(2017年)の7月、白浜町の海水浴場で、シュノーケリングをしていた妻を水難事故に見せかけて殺害したとして殺人の罪に問われた31歳の夫に対する裁判員裁判がきょう(2/18)から和歌山地方裁判所で始まり、男は、罪状認否で「殺していない」と否認し、無罪を主張しました。

起訴状などによりますと、大阪市天王寺区の野田孝史(のだ・たかし)被告31歳は、2017年7月18日の夕方、白浜町の「臨海浦海水浴場」でシュノーケリングをしていた妻の志帆(しほ)さん当時28歳の体を海中で押さえつけて溺れさせ、20日に低酸素脳症で死亡させたとされています。

きょうの初公判で、野田被告は、「そのような事実はありません。私は志帆さんを殺していません」と否認し、弁護士も無罪を主張しました。

検察側は、冒頭陳述で、「志帆さんの胃から砂が見つかり、後日、再現したところ、少なくとも36・5グラムの砂がたまっていた」と指摘し、「これは、野田被告が志帆さんの顔を浅瀬で砂に押し付けた結果で、志帆さんの体には、抑えつけられたことと矛盾しない損傷があった」と主張しました。

また、犯行の動機について、検察側は、「野田被告は、当時、不倫関係にあった女性が妊娠し、この女性には「結婚する」と約束する一方、妻の志帆さんには、「中絶させて別れる」と両立できない約束をして、その解決に迫られていた」とした上で、「志帆さんが死亡すれば、2つの保険会社からおよそ4200万円の保険金を受け取れる状況だった」と指摘しました。

これに対し、弁護側は、「志帆さんの胃にあったとされる相当量の砂は、医師が状況を再現した結果で、志帆さんの胃から見つかった砂は、いまは存在しない」と証拠能力に疑問を呈し、「砂以外の点でも科学的に不自然な点がある」として、検察側とは違う医師の証言を法廷で示す考えを明らかにしました。

また、弁護側は、「野田被告は、海でうつぶせになっている志帆さんを見つけて助けを呼び、人工呼吸もした」と説明し、「志帆さんは事故で亡くなった」と主張しました。

この裁判員裁判は、きょうを含めて12回の審理が予定されていて、来月(3月)23日に判決が言い渡されます。

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