【新型コロナ】感染者の中に抗体なしも 技監「感染者も予防対策の徹底を」
2021年02月17日 18時58分
和歌山県内で新型コロナウイルスに感染した人に、抗体があるかどうかを調べた結果、無症状や軽症の人の中に、抗体のない人がいた一方、肺炎になった人には、全員、抗体のあることがわかりました。
これは、和歌山県が、御坊市のひだか病院の協力を得て、病院を受診した新型コロナウイルスの感染者を対象に実施したものです。対象者は29人で、血液を採取して抗体の有無を調べましたが、複数回、検査を行った人もいるため、データの数は43となりました。
このうち、無症状感染者の4件のうち、3つのデータが陰性となり、軽症者では、16件のうち、2つのデータが陰性を示し、一度、感染しても、抗体を持っていない人のいることがわかりました。
これについて、県福祉保健部の野尻孝子(のじり・たかこ)技監は、「新型コロナウイルスに感染した人で無症状や軽症だった人の中には、抗体のない人もいて、再び感染する可能性もある」と指摘し、「そうした人たちは、感染予防対策をしっかりとってほしいし、今後のワクチン接種についても、受けた方がいいと思う」と述べました。
一方、肺炎の症状があった人の23のデータについては、すべて陽性となり、抗体を保有していることがわかました。なかには、感染後10ヶ月経っても陽性となっている事例が複数あったということです。
この点について、野尻技監は、「肺炎になったのは、免疫が十分、反応した結果と思われる。ただ、10ヶ月経っても抗体のある人もいるが、これが、いつまで続くのか、まだわからない状態なので、肺炎の症状があった人も感染予防を講じてほしい」と呼びかけました。
県では、今後も、ひだか病院や感染者の協力を得てこの検査を継続し、抗体の陽性反応がどのくらい持続するのか、症状の程度に応じて変化するのか、などについて調べることにしています。