臨床美術を体験! 幼稚園でワークショップ開催
2021年02月11日 14時40分
見た目だけでなく、香りや味など五感を使って絵を描くといった臨床美術を体験するワークショップがこのほど(2/5)、和歌山市の幼稚園で開かれました。
臨床美術は、絵やオブジェなどの作品を、触ったり匂いを嗅いだり味わったりして五感で楽しみながらつくることによって脳を活性化させるもので、認知症の症状を改善するために開発されましたが、現在では、大学や病院、地方自治体や小学校など教育や行政の場でも活用され始めています。
この臨床美術のワークショップが、今月5日、人権教育の一環として和歌山市西浜の市立雑賀崎幼稚園で園児の保護者を対象に行われました。
ワークショップでは、和歌山県内で活動する臨床美術士のグループ「和の輪会(わのわかい)」の代表を務める清水薫(しみず・かおる)さんが講師となり、園児の保護者ら10人に臨床美術について説明した後、さつまいもの絵を描くよう指導しました。
保護者らは、さつまいもや、さつまいもの断片を眺めたり触ったりしながらオイルパステルを使ってさつまいもの中身の色を塗り、その上に、皮の色を重ね、指でこすって質感を出し、割りばしペンで細かい傷をつけてさつまいもの表面を再現していきました。
参加した園児の保護者は、「今回、初めて臨床美術を知りましたが、楽しくて無心で絵を描きました」「久しぶりに手を汚して絵を描き、子どもの頃に戻った感じでした」「ひたすら色を塗ってリフレッシュしました。まだまだ塗っていたかった」などと話していました。
講師を務めた清水さんは、「みんな違ってそれでいい、というのが、臨床美術の基本的な考え方。特に和歌山では、臨床美術の認知度がまだまだ低いので、高齢者施設や病院、学校などを通して裾野を広げ、将来的には、理学療法士など医療関係者とタッグを組んで広めていければ」と話していました。
清水さんが代表を務める「和の輪会」では、年4回の体験教室を開いていて、今年(2021年)は、今月(2月)21日と5月16日、8月22日と11月21日の午後2時からそれぞれ和歌山市のレンタルスペース「BOX*0(ボックス・ゼロ)」で開催することにしています。