県立高校再編整備 県教委が骨子案提示
2021年02月09日 21時56分
和歌山県立高校の再編について検討している県教育委員会はきょう(2/9)、それぞれの高校の役割を明確にして再編することなどを盛り込んだ「仮称・県立高校再編整備計画・実施プログラム」の骨子案を発表しました。
県立高校の再編整備を巡っては、外部の有識者らでつくる「きのくに教育審議会」が、去年8月、現在29校ある県立の全日制高校を、今後15年間でおよそ3分の2の20校に再編することなどを計画に盛り込むよう答申しましたが、その後、県内各地で開かれた説明会では、県民から「急ぎすぎ」などの批判の声が相次ぎ、去年12月には案を示し、今年度中に計画を策定するとしていた当初のスケジュールは大幅にずれ込んでいます。
こうした中、きょう、県教育委員会が再編整備計画の骨子案を示したものです。それによりますと、再編整備の基本的な考え方として、全日制に定時制・通信制を加えた32の県立高校を充実させ、可能な限り存続させるとともに自宅から通えるところに多様性のある高校を確保し、特色のある質の高い学びを保障する高校を整備するとしています。そして、32校の役割を、「地域中核高校」や「地域特性高校」など7つのカテゴリーに分類した上で、県内を11の地域に分割して配置するとしています。また、学校の規模としては、6学級240人を目標に1学年につき4学級から8学級に収まる再編整備を目指すとしています。
骨子案で示された将来の在り方では、これから15年間で、32の県立高校を地域ごとに再編し、地域の高校教育の拠点となり1学年6学級240人規模を目標に整備される「地域中核高校」を11校、多様な学科構成で地域のニーズや特色に応える「地域特性高校」を3校から6校程度、特に期待される使命達成のため特色ある教育を行う「特任高校」を2校程度、各職業系専門学科の拠点校となる「専門高校」を3校から5校程度、複数の職業系専門教育を総合的に展開する「総合専門高校」を2校程度、総合学科の拠点校となる「総合学科高校」を1校から2校程度、それに「定時制・通信制拠点高校」を3校、それぞれ再編整備する案を示しています。そして、この案によれば、定時制・通信制を含む32の県立高校が、25校から31校程度に再編されることになります。
きょう骨子案を発表した県教育委員会の宮﨑泉(みやざき・いずみ)教育長は「先に発表した答申で示されていた、現在の全日制29校を、15年後に20校にするという内容が、独り歩きしてしまった。今回、教育委員会としての骨子案を示し、県民の皆さんと意見交換したい」と話しました。
県教育委員会は、きょうから今月20日にかけて県内15の会場で説明・懇談会を開き、この骨子案を示した上で、参加者から意見を聞くことにしています。そして、今後、「仮称・再編整備計画・実施プログラム」案を策定し、県民から意見を聞くパブリックコメントなどの手続きを経て、「来年度のなるべく早い時期にプログラムを策定したい」としています。