島精機製作所・第3四半期決算 過去最大の赤字

2021年01月30日 20時25分

経済

和歌山市に本社がある自動横編み機メーカーの島精機製作所はきのう(1/29)、第3四半期の決算で、上場以来、最大となる50億円余りの赤字になったと発表しました。

発表によりますと、島精機製作所のグループ全体で、第3四半期にあたる去年4月から12月までの9カ月間の売上高が159億1千万円となり、前の期に比べて36・9%のマイナスとなったほか、本業の利益を示す営業損失が65億5千万円、事業全体での経常損失が49億円1千万円となりました。そして、親会社の株主に帰属する第3四半期の純損益は、50億7千万円の赤字となり、1990年に上場して以来、最大の赤字額になりました。

きのうオンラインで記者会見した島精機製作所の今井博文(いまい・ひろふみ)執行役員は、過去最大の赤字となった主な理由について、「新型コロナウイルス感染症の影響を受け、アパレル業界で商品の在庫が増えたため、編み機を持つメーカーへの受注が減り、取引先が設備投資をしない状況になっている」と説明しました。

その一方で、今井執行役員は、「赤字の原因には、コロナ禍のほかにも、アパレル業界の構造的不況が根底にあると思う」とした上で、「コロナ禍がきっかけで、これまでの大量生産・大量消費からアパレル業界が方針を変える傾向がみられるので、解決策として、島精機製作所が25年以上前から取り組んでいるトータルファッションシステムを提案し、コロナ後は、競合他社に大きく差をつけたい」と述べました。

来年3月期の通期の連結業績予想について、島精機製作所は、売上高を250億円、当期純損益を72億円の赤字と見込んでいます。

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