丑年に熊楠「牛」腹稿展示

2020年12月31日 18時19分

教育歴史・文化社会

「知の巨人」として世界的に知られる和歌山出身の博物学者・南方熊楠(みなかた・くまぐす)が、代表作「十二支考(じゅうにしこう)」に唯一未収録の「牛」の論考執筆に備えて書き留めた「腹稿(ふっこう)」と呼ばれるメモ書きが、田辺市の南方熊楠顕彰館で展示されています。


南方熊楠顕彰館では、恒例企画として毎年この時期に干支の論考を取り上げていて、丑年を迎える今回はこの腹稿を目玉にしています。

この腹稿は、新聞紙の裏面に書かれていて、2019年に和歌山市立博物館に所蔵されているのが見つかりましたが、悪筆のため判別が難しく、内容はわかっていません。

今回の展示では、これまで知られていなかった「幻の牛」について、初めて解き明かされます。

南方熊楠顕彰間の学芸員、米田千華(よねだ・ちか)さんは、「他の干支の論考の中に牛の記述は多く、相当な知識量があったとみられます。腹稿が解読できれば、熊楠の思考体系がわかるかもしれません」と期待を寄せています。

企画展「書かれなかった十二支考」は、年末年始の休館を挟み、年明け1月5日から10日まで開催されます。

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