語りで子どもたちにお話を 智辯和歌山小で開催(写真付)
2020年12月01日 19時42分
おとぎ話や民話を暗記し、物語を伝える「語り(かたり)」を聞く授業が、きのう(11/30)、和歌山市冬野(ふゆの)の智辯学園和歌山小学校で行われ、児童が語り部の話に聞き入りました。
この授業は、おとぎ話や民話を聞くことで、児童の物語への関心や教養を深めるとともに、世代間や地域間の交流を通して、社会性を培ってもらおうと3年前(2017年)から行われていて、和歌山市や海南市などで幼児から高齢者まで幅広い年齢層を対象に語りの活動を行っている「和歌山おはなしの会語りの森」のメンバーが講師を務めています。
今年は、修学旅行に出かけた6年生を除くすべての学年でこの授業が行われ、このうち3年生のクラスでは、地元・和歌山市の昔話「扇之芝(おうぎのしば)のたぬき」や有名なグリム童話の「ラプンツェル」、日本の昔話の「舌切すずめ」などが披露されたほか、手遊びやわらべうたでは、児童が手を動かすなどして楽しんでいました。
授業を受けた3年生の小田想悟(おだ・そうご)くんと4年生の田中萌々香(たなか・ももか)さんは、「いろいろな昔話や手遊びをして楽しかった。始めは怖いと思った話もありましたが、最後は、いいお話になっていました。また絶対聞いてみたい」「気持ちを込めて語ってくれたので、初めて聞いたお話もわかりやすかったし、絵もないのに、想像できたので、すごいと思いました」と話していました。
「和歌山おはなしの会語りの森」代表の横山淳(よこやま・じゅん)さんは、「皆、すごくお話の世界に入って聞いてくれていたので、反応がよく伝わってきて楽しかったです。そもそも昔話は、おじいちゃん、おばあちゃんが、孫に語って聞かせたものなので、こういう風に語るのが、一番、お話を楽しめるのではないかと思います」と話しました。
智辯学園和歌山小学校でこの取り組みを担当する藤崎健太郎(ふじさきけんたろう)教諭は、「語りを聞くことで、児童が自分で本を探してきて読書するようになり、児童の読書量が増えました。また、昔から伝わる話やわらべうたを聞くことで、子どもの想像力が膨らむので、今後も続けていきたい」と話していました。