樫野崎灯台や湯浅党城館跡などが史跡指定へ(写真付)
2020年11月20日 18時54分
国の文化財審議会は、きょう(20日)串本町(くしもとちょう)の樫野崎灯台(かしのざきとうだい)や、湯浅町(ゆあさちょう)の湯浅城跡(ゆあさじょうせき)などを、国の史跡に指定するよう文部科学大臣に答申しました。
史跡指定を答申された、串本町の樫野崎灯台とエルトゥールル号遭難事件遺跡は、今から130年前の1890年(明治23年)9月16日に樫野崎沖で発生した、オスマン帝国・現在のトルコ共和国の軍艦・エルトゥールル号の遭難事件を現代に伝え、国際的な海難と、その後の防災意識や日本とトルコの友好と慰霊の歴史を明らかにする貴重な遺跡として高く評価されました。
一方、湯浅町の湯浅城跡と、有田川町(ありだがわちょう)の藤並館跡(ふじなみやかたあと)は、どちらも、平安末期から南北朝(なんぼくちょう)時代にかけて大きな勢力を誇った、湯浅一族を中核とする武士団「湯浅党(ゆあさとう)」の城跡で、13世紀ごろに作られたことが発掘調査などでわかり、有田川の流域を中心に栄えた中世前期の武士団の在り方を知るうえで重要な資料として評価されました。
これらが指定されると、県内の国指定史跡は、特別史跡1件を含め30件となります。