華岡青洲語り部研修会 高野山で現地研修第二弾
2022年12月14日 22時00分
江戸時代に世界で初めて全身麻酔による乳がんの摘出手術に成功し、医学の塾『春林軒』で多くの医師を育てた紀の川市の偉人、華岡青洲(はなおか・せいしゅう)の語り部養成講座で、このほど(10/29)、青洲ゆかりの地を巡る現地研修の第二弾が高野山を舞台に行われました。
華岡青洲は、現在の紀の川市に拠点を置いた江戸時代の医師で、20年の歳月を経て麻酔薬「通仙散(つうせんさん)」を完成させ、1804年、世界で初めて、麻酔薬を使った乳がんの摘出手術を成功させた偉人です。
今回の現地研修は、華岡青洲の語り部を育成しようと検定制度を作り、学習会を開催した一般財団法人「青洲の里」が、合格した51人を対象に実施したもので、第二弾となった研修には、25人が参加しました。
現地研修は、華岡青洲が寄進したとされる常夜灯がある高野山の壇上伽藍など、山内を巡る形で行われ、語り部を目指す人たちが、熱心にメモを取るなどしていました。
はじめに訪れた奥の院では、高野山のガイドを行っている男性の説明を聞いた上で、男性から語り部をするにあたって心がけるべきことについてアドバイスを受けていました。
一行は、青洲が寄進したとされる壇上伽藍にある常夜灯を見学し、語り部の指導にあたり今回の研修にも同行した谷脇誠(たにわき・まこと)さんからあらためて常夜灯が寄進された年代など詳しい解説を聞いていました。
研修の参加者は「声を出して相手に届けることが大切というアドバイスがとても心に響きました。紀の川市にある世界初の偉業を、紀の川市の発展につなげていきたい」「青洲先生を尊敬する人たちが、同じ場所で同じことを経験することができてよかった。テキストだけでなく、現地に行ってみてあらためて頑張ろうと思いました」などと話していました。
「青洲の里」の代表理事を務める神徳政幸(じんとく・まさゆき)さんは、「テキストで習っていたことを現地でも学び、語り部としての心構えも学べてよかったです。皆さんのスキルアップができたと思うので、来年1月頃からの本格稼働につなげていきたい」と話しました。
青洲の里では、第2回の青洲検定を受検する人たちが参加する学習会をスタートさせています。