枝曾丸さんの防災落語・絵解き説法 救命講習も
2022年12月13日 23時03分
和歌山市出身の落語家で防災士などの資格を持つ桂枝曾丸(かつら・しそまる)さんがこのほど(11/20)、海南市で防災にまつわる落語と絵解き説法を披露しました。
これは、海南市日方にある海南nobinosが主催して開いたもので、防災士をはじめ、応急手当普及員やメンタル心理カウンセラーの資格を持つ枝曾丸さんを講師に招きました。
「防災指南」という創作落語では、「和歌山のおばちゃん」に扮した枝曾丸さんが、地域の防災訓練に参加したおばちゃん同士のやりとりを展開し、普段から非常用持ち出し袋に入れておくものを確認するとともに、まち歩きをして災害時の安全な避難ルートを確認しておくことの重要性を指摘しました。
また、防災絵解き説法では、一般的なまちの地図が描かれた絵を示しながら、「消火栓やAED・自動体外式除細動機が配備されている場所を把握しておくとともに、ブロック塀が倒れて通行できなくなる場合など、常に地震が起きたら、まちがどうなるかを考え、家族と話しておいてほしい」と呼びかけました。
この後、海南市消防局の4人の職員を交えて応急手当の講習が行われ、およそ50人の参加者が、4つの班に分かれて、倒れた人への声のかけ方や胸骨圧迫による心臓マッサージ、AEDの使い方などを学びました。
枝曾丸さんは、4つのグループを回って心臓マッサージのコツなどをアドバイスしていました。
紀美野町から訪れた小学6年の中前友里(なかまえ・ゆり)さんと母親の由紀子(ゆきこ)さん親子は、「落語がめっちゃおもしろかったです。心臓マッサージが大変で、思っていたより難しかったです」「すごく勉強になったし、防災訓練だけだと参加しない場合でも、落語を絡めてもらうことで、行こうかなという気になって良かったです。子どもが通う小学校にも来てほしいと思いました」と話していました。
イベントの後、枝曾丸さんは「落語会に来てくれる高齢の皆さんと話す中で、天災の多い和歌山にも関わらず、なるようになるよ、と言う人が多かったので、落とさずに済む命を守る方法はないかと考え、防災落語と絵解き説法を始めました。救命講習も行っているので、是非、こうしたイベントを通じてもしもの時の備えを日常に入れてもらいたい」と話しました。
イベントには、聴覚障害のある人も参加し、手話通訳を通じて落語を聞き、心臓マッサージを体験していました。